収蔵品紹介

甲骨文 甲骨文(殷後期・BC14~BC11世紀)

 甲骨文は、亀の甲羅や牛の肩胛骨に刻まれた文字で、現存最古の漢字といわれています。内容は、国の大事や作物の豊凶、物事の吉凶などの占いがほとんどです。亀の腹甲、牛の肩胛骨などに占う事柄を刻し、裏から熱を加えてできるヒビで吉凶を判断しました。
爵 爵(西周・BC11~BC8世紀)

 銅と錫の合金で作られる青銅器は、殷・周時代に祭器や兵器として盛んに制作されました。爵(しゃく)は三本足で注ぎ口と取手があり、縁に柱を二本持ち、酒を温めて注ぐ器です。内側に制作の経緯などを示す文章が鋳込まれており、金文と呼ばれます。
李斯・泰山刻石―百六十五字本― 李斯・泰山刻石―百六十五字本―(宋拓)(秦・BC219)

 始皇帝の功績と正当性を天下に示すため、泰山(中国・山東省)に建てられた刻石の拓本。大篆を整理し、統一王朝に相応しい書体として制定された小篆で書かれており、丞相(じょうしょう=執政大臣)・李斯の作と伝えられます。これは宋時代にとられ、最も文字数が多く残っている貴重な拓本です。
中村不折・隷書李白五言律詩 中村不折・隷書李白五言律詩「戯贈鄭溧陽」軸(昭和10年・1935)

 中村不折は、明治28年に日清戦争従軍記者として中国に渡り、書の古典と接しました。これを機に、漢字に関する膨大な資料を集め、熱心に学びました。中でも北派(中国・六朝期)の書を根底とした不折独自の大胆で斬新な書風は、明治41年の「龍眠帖」刊行により当時の書道界に一大センセーションを巻き起こしました。その文字は現在でも、「新宿中村屋」の看板、清酒「真澄」「日本盛」のラベル、「神州一味噌」などで目にすることができます。

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