台東区立書道博物館企画展 みんなが見たい優品展 パート11 |
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-中村不折コレクション- 「書のおてほん-手習いするなら、コレ!-」 |
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平成24年4月3日(火) ~ 平成24年6月17日(日) |
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漢字の5書体(篆書・隷書・草書・行書・楷書)は、それぞれが文字の構造だけでなく、審美的な側面からも考え抜かれたものです。優美な書法をもって書かれた作品は、手習いにふさわしい古典として尊ばれ、代々受け継がれてきました。本企画展では、手習いに適した定評ある古典の数々を、学ぶべきツボとともに一挙にご紹介いたします。 |
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中村不折記念館
【第1展示フロア- 1F】大型展示ケース
1:石鼓文(清初拓) | 戦国(前5~前4世紀頃) |
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石鼓と呼ばれる、唐時代に発見されたという10個の太鼓型の石に刻まれた「石鼓文」の拓本。書体は大篆。 | |
2:泰山刻石 -二十九字本-(明拓) | |
3:泰山刻石 -十字本-(出土初拓) | 李斯(?~前208) 筆/秦(前219) |
天下を統一した始皇帝が、東方視察で訪れた泰山(山東省)に建てさせた「泰山刻石」の拓本。始皇帝を補佐した李斯の書と伝えられている。書体は小篆。統一後、大篆をもとにして制定された。もとは全4面、合計223字あったが、徐々に字数を減らし、現在は10字のみが残る。展示している拓本は、明時代の「二十九字本」と清時代の「十字本」。 | |
4:多宝塔碑(宋拓) | 顔真卿(709~785)筆/唐・天宝11載(752) |
唐時代の僧、楚金の発願によって多宝塔が建立された経緯を述べる「多宝塔碑」の拓本。顔真卿44歳時の書である。 |
5:甲骨文(第1期・亀腹甲) | 殷(前13世紀頃) | |||
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現存最古の漢字資料。殷時代後期の都、殷墟(河南省)から出土した亀甲や牛骨などに刻まれたもので、5期に分類して研究が進められている。これはそのうち最も古い第1期のもの。書風は、力強い線と整った字形により“雄偉”と評される。 | ||||
6:史頌簋 | 西周(前11世紀頃~前8世紀)後期 | |||
史頌が制作した、祭祀に用いる青銅器(彝器)の1つ。これは穀物を盛って供える簋という器である。彝器に見られる銘文を金文という。特に西周時代の金文は歴史資料として、また殷時代の甲骨文に次ぐ漢字資料として重視される。 | ||||
7:開通褒斜道刻石(最旧拓) | 後漢・永平9年(66) | |||
永平6年から9年にかけて行われた、褒斜道修理工事の経緯を述べる「開通褒斜道刻石」の拓本。 | ||||
8:史晨碑(宋拓) | 後漢・建寧2年(169) | |||
魯国の大臣であった史晨が、孔子をまつる祭祀を公費で行うよう申請し、許可されたことを述べる「史晨碑」の拓本。 | ||||
8:史晨碑(宋拓) | 後漢・建寧2年(169) | |||
魯国の大臣であった史晨が、孔子をまつる祭祀を公費で行うよう申請し、許可されたことを述べる「史晨碑」の拓本。 | ||||
9:曹全碑 | 後漢・中平2年(185) | |||
魯国の大臣であった史晨が、孔子をまつる祭祀を公費で行うよう申請し、許可されたことを述べる「史晨碑」の拓本。 | ||||
10:薦季直表(「鬱岡斎墨妙」所収) | 鍾繇(151~230)筆/三国(魏)・黄初2年(221) 鬱岡斎墨妙/明・万暦39年(1611) |
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三国時代の書の大家、鍾繇の書。かつて功績のあった季直を再び用いるよう、魏文帝に奉った文である。 | ||||
11:牛橛造像記(旧拓) | 北魏・太和19年(495) | |||
丘穆陵亮の妻の尉遅が、息子である牛橛の冥福を祈るため、弥勒像を造ったことを述べる「牛橛造像記」の拓本。 | ||||
12:張猛龍碑 | 北魏・正光3年522) | |||
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13:楽毅論(「快雪堂法書」所収 | 王羲之(303?~361?)筆/東晋・永和4年(348) 快雪堂法書/明~清(17世紀) |
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王羲之の楷書を代表する作品。三国時代・魏国の夏侯玄が、戦国時代の将軍、楽毅の評価を正すために作った「楽毅論」を書いたもの。明時代末~清時代初期の高官、馮銓が制作した集帖「快雪堂法書」に収録されている。 | |||||||
14:蘭亭序 -馮承素本-(「三希堂法帖」所収) | 王羲之 筆/東晋・永和9年(353) 三希堂法帖/清・乾隆12~15年(1747~1750) |
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王羲之が蘭亭(浙江省)で雅宴を催した際、客人たちが詠んだ詩を詩集にまとめ、これに書き添えた序文の原稿。真跡は失われ、臨書や複製が伝わる。これは、唐時代の馮承素の作と伝えられる模本をもとにして作られた。 | |||||||
15:十七帖 -停雲館刻本- | 王羲之 筆/東晋(4世紀) 停雲館刻本/明・嘉靖23年(1544) |
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王羲之の書簡を集めて制作された法帖。冒頭の2字により“十七帖”と呼ばれ、草書の手本として広く学ばれている。「蘭亭序」と同様、真跡は存在せず、法帖として伝わっている。「停雲館刻本」は明時代の大家、文徴明が制作したもの。 | |||||||
16:集王聖教序 | 後漢・建寧2年(169) | ||||||
魯国の大臣であった史晨が、孔子をまつる祭祀を公費で行うよう申請し、許可されたことを述べる「史晨碑」の拓本。 | |||||||
17:洛神賦 | 王献之(344~388)筆/東晋(4世紀) | ||||||
王羲之の第7子、王献之の書として伝わる法帖。三国・魏文帝の弟、曹植が詠んだ「洛神賦」を楷書で書いたもの。 | |||||||
18:蘇慈墓誌銘 | 隋・仁寿3年(603) | ||||||
西魏~隋時代に活躍した蘇慈の功績を述べる「蘇慈墓誌」の拓本。蘇慈は武勇に優れ、また政務も公平であったという。 | |||||||
19:九成宮醴泉銘(明拓) | 欧陽詢(557~641)筆/唐・貞観6年(632) | ||||||
唐王朝の離宮、九成宮の庭から湧き出した甘水が、太宗皇帝の徳によって起こった吉兆であると述べる「九成宮醴泉銘」の拓本。初唐の三大家の1人、欧陽詢の書で、「孔子廟堂碑」と並ぶ優れた楷書の手本として知られている。 | |||||||
20:孔子廟堂碑(陝西本) | 虞世南(558~638)筆/唐・貞観2~4年(628~630) 王彦超(北宋・10世紀頃)再建/北宋(10世紀)頃 |
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「孔子廟堂碑」は、孔子を祀る孔子廟を再建する意義を説く石碑である。初唐の三大家の1人、虞世南の書。「九成宮醴泉銘」と並ぶ楷書の手本として知られるが、石碑は建立後まもなく失われた。これは再び建てられた同碑の拓本である。 | |||||||
21:皇甫誕碑(明拓) | 欧陽詢 筆/唐・貞観年間(627~649) | ||||||
北周~隋時代に、忠節と徳をそなえて要職を務めた皇甫誕の功績を述べる「皇甫誕碑」の拓本。 | |||||||
22:雁塔聖教序 | 褚遂良(596~658)筆/唐・永徽4年(653) | ||||||
唐時代初期の僧、玄奘が成し遂げた漢訳仏典に対し、太宗皇帝と皇太子が下賜した序文を石碑に刻んだ「雁塔聖教序」の拓本。初唐の三大家の1人、褚遂良の代表作として知られる。 | |||||||
23:書譜 -天津本- | 孫過庭(唐・7世紀)筆/唐・垂拱3年(687) 天津本/清・康熙45年(1706) |
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「書譜」は、先人の書跡を批評し、書の本質や学書の心構えについて述べた書論であり、草書の名品としても広く学ばれている作品である。この「天津本」は、かつて真跡を所蔵していた清時代の収蔵家、安岐が制作したもの。 | |||||||
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24:祭姪文稿(「停雲館法帖」所収) | 顔真卿(709~785)筆/唐・乾元元年(758) 停雲館法帖/明・嘉靖39年(1560 |
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顔真卿の甥、顔季明の霊を祀る文の原稿。顔真卿50歳時の書である。顔季明は、顔真卿と共に安史の乱に対する兵を挙げた。一時は賊軍の勢いを弱めたが、味方の裏切りによって捕らえられ、殺害されたという。 | |
25:争坐位稿(南宋拓) | 顔真卿 筆/唐・広徳2年(764) |
上官に取り入り、儀式において臣下整列の席順を乱した郭英乂に抗議する手紙の原稿。顔真卿56歳時の書。 | |
26:自書告身帖(複製) | 顔真卿 筆/唐・建中元年(780) |
顔真卿が自書し、自分自身に発令した告身(辞令書)。皇太子の教育係に転任する際のもので、顔真卿72歳時の書。 |
27:行書絶糧帖軸 | 王鐸(1592~1652)筆/明・永暦5年(清・順治8年/1651) |
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明時代末~清時代初期の高官であり、行草書に優れた王鐸61歳時の書。絖本(光沢のある書画用の絹)に書いている。 | |
28:隷書八言聯 | 鄧石如(1743~1805)筆/清(18~19世紀) |
古代の篆書、隷書碑の書を深く学んで卓越した手腕を発揮し、さらに篆刻にも優れた鄧石如の書。 | |
29:行書七言聯 | 何紹基(1799~1873)筆/清(18~19世紀) |
清時代後期の高官であり、石碑、法帖の区別なく学び、隷書や行草書に優れた作品を残した何紹基の書。 | |
30:行書八言聯 | 翁同龢(1830~1904)筆/清(19~20世紀) |
清時代後期の高官で、同治帝、光緒帝の教育係を務め、書では劉以来の第一人者と称された翁同龢の書。 |
【洋 画】 | 猗器の誡 |
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【絵 画】 | 春景山水図軸 |
【デッサン】 | 裸体習作 |
【書】 | 行書五字横額「晴窓花気薫」/月僊金復興之碑/短冊 |
【挿 絵】 | 「俳趣味」(山桜)/「春光雑興」(南山呈寿) |
【資 料】 |
芸術解剖学』/装幀 『不折画集 第一』(海内無双美男子不折山人自惚之像) |
ギャラリートーク(展示解説)
日時 |
平成24年4月22日(日) (1)10:00~/(2)13:30~(どれかを希望のこと) |
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平成24年5月27日(日) (3)10:30~/(4)13:30~(どれかを希望のこと) |
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定員 | 事前申込制で各回20名(希望者多数の場合は抽選) |
申込方法 |
官製往復はがきの「往信用裏面」に、郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、電話番号、年齢、希望日時を、「返信用表面」に郵便番号、住所、氏名を明記して下記までお申込下さい。 はがき1通につき1名の申込みとなります。聴講無料。ただし観覧料は必要です。 |
申込先 |
〒110-0003 台東区根岸2-10-4 台東区立書道博物館 「ギャラリートーク」係まで |
締切 |
(1)、(2)平成24年4月11日(水) 必着 (3)、(4)平成24年5月16日(水) 必着 |