抵抗と恭順 リターンズ ―激動の明末清初―

台東区立書道博物館企画展
中村不折コレクション
抵抗と恭順 リターンズ
―激動の明末清初―
※今後の諸事情により、会期や展示期間、展示作品などが変更になることがあります。
あらかじめご了承ください。
令和4年11月1日(火)~令和5年1月22日(日)
会期中、一部展示替えがあります。
ふせつくん
前期
:11月1日(火)~12月11日(日)
後期
:12月13日(火)~1月22日(日)

ふせつくん
 17世紀の明時代末は、政治経済が混乱を極め、各地で農民による反乱が起きていました。農民反乱の指導者であった李自成りじせいは、北京を陥落させ、明王朝は終焉を迎えます。一方、満洲地方では女真族が後金を建国し、国号を清とあらためました。清は李自成軍を駆逐し、満洲族による清王朝が確立します。
 満洲族に支配権を奪われた明の遺民たちは、清王朝に抵抗するか恭順するか、苦渋の選択を強いられました。波乱に満ちた当時の状況は書画の世界にも反映され、胸中の激情を吐露したかのような特異な表現が見られます。
 2007年、東京国立博物館と当館において「抵抗と恭順-明末清初の書人たち-」を開催しました。再び、明末清初をテーマに東京国立博物館と時期を合わせて開催いたします。上野の山とその麓で繰り広げられる激動の明末清初の世界をご堪能ください。


展示のごあんない
展示のご案内


【1F 大型展示ケース】
前期
花鳥かちょうじく
へん文進ぶんしん(14~15世紀)款/明時代・14~15世紀
前期
山水図軸
胡紀こき(15世紀)款/明時代・景泰3年(1452)
後期
山水さんすい楼閣ろうかくじく
きゅうえい(16世紀)款/明時代・16世紀
前期
山水図軸
流芳りゅうほう(1575~1629)筆/明時代・天啓7年(1627)
後期
秋江しゅうこう風雨ふううじく
藍瑛らんえい(1585~1664)款/明~清時代・17世紀
【1F 第1展示フロアー】
明王朝の春
草書そうしょ七言しちごん律詩りっしけつ おう世貞せいてい(1526~1590)筆/明時代・16世紀
前期
草書そうしょ洛神らくしんけつ
邢侗けいどう(1551~1612)筆/明時代・16~17世紀
後期
草書そうしょ尺牘せきとくけつ
邢侗 筆/明時代・16~17世紀
亡国の足音
草書そうしょ詩巻しかん とう其昌きしょう(1555~1636)筆/明時代・16~17世紀
草書そうしょ五言ごごん律詩りっしけつ ちん継儒けいじゅ(1558~1639)筆/明時代・16~17世紀
草書五言律詩頁 李流芳 筆/明時代・17世紀
後期
行書ぎょうしょ後赤壁こうせきへきかん
ちょう瑞図ずいと(1570~1641)筆/明時代・天啓3年(1623)
前期
草書そうしょ孟浩もうこうねんさつ
張瑞図 筆/明時代・天啓5年(1625)
【2F 第2展示フロアー】
明時代の法帖
来禽らいきんかんじょう 邢侗 編/明時代・万暦28年(1600)
じゅんかくじょう粛府しゅくふぼん 明時代・天啓元年(1621)
抵抗 ―世捨て人―
草書尺牘頁 すうりん(17世紀)筆/明時代・17世紀
天衣てんい禅師ぜんじ碑跋ひばつ(海山かいざんせんかんぞうしん所収) おう時敏じびん(1592~1680)筆/清時代・康熙4年(1665)
行書尺牘頁 ちん洪綬こうじゅ(1598~1652)筆/明~清時代・17世紀
草書詩帖(傅山ふざんじょう所収) 傅山ふざん(1607~1684)筆/明~清時代・17世紀
草書尺牘頁 ひょう(1615~1698)筆/明~清時代・17世紀
草書五言詩頁 (17世紀)筆/明~清時代・17世紀
行書ぎょうしょがっろんばつ うん寿平じゅへい(1633~1690)筆/清時代・17世紀
抵抗 ―亡命―
草書そうしょ唐詩とうしせんさつ 独立どくりゅう性易しょうえき(1596~1672)筆/江戸時代・17世紀
論語ろんご(垂裕すいゆう閣帖かくじょう所収) しゅ舜水しゅんすい(1600~1682)筆/江戸時代・寛文5年(1665)
草書詩冊 即非そくひ如一にょいつ(1616~1671)筆/江戸時代・17世紀
清 ―あたらしい時代―
前期
仿仇ほうきゅう英人物えいじんぶつけつ
見龍けんりゅう(1606~?)筆/清時代・康熙17年(1678)
倣宋ほうそう元諸げんしょ大家たいか筆法ひっぽうけつ おう(1632~1717)筆/清時代・康熙17年(1678)
後期
倪法げいほう山水さんすいじく
こうさい(1637~1670)筆/清時代・17世紀
三希さんきどうじょうだい 乾隆けんりゅうてい(1711~1799)筆/清時代・乾隆12年(1747)
明賢みんけんせんさつばつ せい親王しんのう(1752~1823)筆/清時代・18~19世紀
【2F 特別展示室】
抵抗
金石きんせき文字もんじ 炎武えんぶ(1613~1682)著/清時代・17世紀
中村なかむら不折ふせつ(1866~1943)写/明治42年(1909)
楷書詩帖(南雪なんせつ斎蔵さいぞうしんじょう所収) こう道周どうしゅう(1585~1646)筆/明時代・17世紀
章草しょうそうかん きんせい(1598~1645)筆/明時代・崇禎8年(1635)
抵抗 ―明王朝とともに―
水墨すいぼく山羊やぎじく げい元璐げんろ(1593~1644)款/明時代・崇禎15年(1642)
草書尺牘頁 じょほう(1622~1692)筆/明~清時代・17世紀
【2F 第2展示フロアー 中村不折記念室】
恭順
こうじょうばつ そんしょうたく(1593~1676)筆/清時代・順治15年(1658)
そう坐位ざい稿印こういん 孫承沢 観記
しゅう亮工りょうこう(1612~1672)印記/清時代・17世紀
快雪かいせつどうじょうばつ ふうせん(1595~1672)筆/明時代・崇禎14年(1641)
しゅうへきどうじょう りょうせいひょう(1620~1691)編/清時代・17世紀
しょろん おうたく(1592~1652)筆
明時代・天啓4年/清時代・天命9年(1624)
草書詩巻 王鐸 筆/明時代・永暦元年/清時代・順治4年(1647)
行書ぎょうしょぜつりょうじょうじく 王鐸 筆/明時代・永暦5年/清時代・順治8年(1651)
中村不折の書画
こうどうじょう 董其昌 編/明時代・万暦31年(1603)
ちょうきょく草書そうしょ古詩こし四帖しじょう 中村不折 筆/明治40年(1907)
前期
十二じゅうにじょう(うさぎ古文こぶん)
中村不折 筆/大正4年(1915)
前期
十二支帖(蒙恬始用兎毛造筆もうてんはじめてともうぞうひつをもちう)
中村不折 筆/大正4年(1915)
後期
十二支帖(もしもしかめさん)
中村不折 筆/大正4年(1915)
後期
十二支帖(二兎にとうもの)
中村不折 筆/大正4年(1915)
ねんじょう はん 大正10年(1921)
かいしょ集印しゅういんちょうだい敬神けいしん愛国あいこく 中村不折 筆/昭和時代・20世紀
きみじく 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀
行書七言二句額 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀
草書そうしょ四字よじ水流すいりゅう山勢さんせいがく 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀
草書そうしょ七言しちごん二句にくじく 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀
竹林ちくりん七賢しちけんじく 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀
予譲よじょう裂衣れついじく 中村不折 筆/大正~昭和時代・20世紀

書道博物館バースデー11.3

2022年11月3日(木・祝)にご来館された方にバースデープレゼント進呈!


バースデーギャラリートーク

2022年 11月3日(木・祝)
【1】11:00~【2】14:00~


ギャラリートーク「抵抗と恭順」

2022年12月4日(日)
【3】11:00~【4】14:00~
2023年 1月8日(日)
【5】11:00~【6】14:00~


【イベント参加のお申し込み方法】

定員 会場が手狭なため、事前申込制で各回10名です。
申込方法①
【往復はがき】
往復はがきの「往信用裏面」に、郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、電話番号、年齢、希望日時(【1】~【6】のいずれか)を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記して下記までお申込ください。1通のはがきで1名・1回の申込となります。聴講無料。ただし当日の観覧料が必要です。
申込方法②
メール
件名に「ギャラリートーク申込」、本文に郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、電話番号、年齢、希望日時(【1】~【6】のいずれか)を明記し、
shodo-event@taitocity.net
に送信してください。当方よりメールにて返信いたします。
締切 【1】【2】2022年10月21日(金) 必着
【3】【4】2022年11月22日(火) 必着
【5】【6】2022年12月20日(火) 必着

応募多数の場合抽選を行います。

ワークショップ「明末清初の書に挑戦!」

事前申込不要

場所 台東区立書道博物館 新館(中村不折記念館)2階 会議室
日時 2022年11月3日(木・祝)、12月4日(日)、1月8日(日)
上記の開館時間中随時行っていますが、16時までに会議室にお入りください。
注意 事前申込は不要ですが、当日の観覧料のほかに参加費100円(材料費)が必要です。

【第1展示室 1F 】石碑・墓表・仏像など、大型の作品に見られる文字資料を展示しています。
石 碑 題額・本文・台座をそなえる石。この様式でないものを刻石あるいは碣と呼ぶ。
隆命刻石(前漢/前3~1世紀)
冢土断碑(後漢・光和年間/178~183)
石 経 儒教の経典を刻んだ石。
三体石経(第三石)(三国(魏)・正始年間/240~248)
三体石経(第五石)(三国(魏)・正始年間/240~248)
造像碑 仏像を造った由来などを記した石碑。
高洛周等造像碑(北魏・正始元年/504)
功起君等造像碑(東魏・武定3年/545)
墓 表 埋葬した墳墓の目印として地表に建てた石。
呂憲墓表(五胡十六国(後秦)・弘始4年/402)
仏 像 故人の供養や来世の安穏などを祈願して作られた。第1展示室の仏像は大型のもの。
三尊仏石像(北魏・武泰元年/528)
阿弥陀仏坐像(唐・景雲2年/711)

【第3展示室 1F】漢~唐時代の建築資材や、墳墓の副葬品などに見られる文字資料を展示しています。
玉 器 古代中国において特に尊ばれた宝石。装飾品や印などが作られ、儀式などに用いられた。
(殷/前16~?前11世紀)
(漢/前3~3世紀)
鎮圭 琬圭 玉戚 玦 玉魚(以上 周(前12(前11?)~前3世紀)
陶 文 陶器の破片に見られる文字を陶文という。印が押されたものや、刻まれた文字が見られる。
土製の人形や馬、牛車などの模型。死後の世界で実体化し、死者を助けると信じられた。
牛車(漢/前3~3世紀)
婦人立像(唐/7~10世紀)
馬の塑像(唐/7~10世紀) など
仏 像 第3展示室の仏像は、死者と共に墳墓に埋葬されたため、小型に制作されている。
菩薩半跏像(東魏・武定2年/544)
七仏像(隋・義寧元年/617) など
鮑綦造塔記 (北魏・太平真君3年/442)
北魏時代最古の石刻資料。現存するのは台座のみ。
札や遊戯などに用いられた。一字ずつ文字が刻まれている。これは明時代のもの。
レンガに相当する。装飾的な文字や文様、画像などを施して建造物や墳墓の壁面などを飾った。
急就章塼(後漢)子供の文字学習用に作られた文章『急就章』の冒頭が見られる貴重な資料。
永元塼(後漢・永元6年/94)
永寧塼(後漢・永寧元年/120) など
瓦当文 建物の屋根の軒先にある筒瓦の先端部分。ここに縁起の良い語句や紋様が装飾的に施されている。
饕餮文瓦当(春秋戦国)
瓦当「万歳冢当」(後漢)
瓦当「長楽未央」(後漢) など
熹平石経残石 (漢・熹平年間/172~178)
儒教の経典を刻んだ石碑の作例としては最古。
墓 誌 故人の役職や業績などを刻み、棺とともに墓中に埋めた石・塼。
司馬昇墓誌銘(東魏・天平2年/535)
劉浩墓誌銘(唐) など

【第4展示室 2F】古代中国で制作された青銅器に見られる文字資料などを展示しています。
甲骨文 現存最古の漢字資料。殷時代後期に行われた、亀の腹甲や牛の肩胛骨を用いた占いの記録。
青銅器 青銅で作られた古代中国の祭器。形によって名称は異なる。これらに見られる文字を金文という。
煮炊き用の器。 𣪘穀物を盛る器。
楽器。 水を受ける器。
酒を温めて注ぐ器。 酒を入れる器。
酒や水を入れる器。
武 器 実戦や祭祀で使用。
【重要美術品】(前秦/前4世紀頃) など

【第5展示室 2F】鏡鑑、陶瓶、璽印、文房具、日本の文字資料などを展示しています。
墓 券 墓地を購入した権利書。細長い鉛の金属板に刻んだものや、肉筆のものがある。
延熹四年墓券(漢/前3~3世紀)
光和元年墓券(漢/前3~3世紀) など
陶 瓶 土製の甕。漆による肉筆の文字が見られる。古代の日常的な文字の姿を示す重要な資料。
熹平元年十二月瓶(後漢・熹平元年/172)
【重要美術品】永寿二年三月瓶(後漢・永寿2年/156) など
鏡 鑑 鏡として、そして祭祀にも使用された。表面の装飾や文字に時代ごとの特徴がみられる。
【重要美術品】神獣鏡(三国(呉)・建興年間/252~253)
【重要美術品】獣首鏡(三国(魏)・甘露5年/260) など
璽 印 官印(役所用)と、私印(個人用)の印章。明時代からは印をほる篆刻芸術が盛んになる。
文房四宝の一つ。煤と膠(動物性たんぱく質)を練って型入れし、乾燥させたもの。
古墨 李文奎製(北宋・宣和年間/1119~1125)
青紫墨 程君房製(明・天啓元年/1621) など
文房四宝の一つで、墨をする道具。陶製のものや、石製のものがある。
陶硯(漢/前3~3世紀)
古温州石硯(唐/7~10世紀)
蘭亭硯(宋/10~13世紀) など

日本の金石文
経 筒 経巻を収納し、地中に埋めて供養するための容器。材質は銅、陶製などがある。
柄香爐 僧が手に持って献香するための道具。
上部二つの穴にひもを通して吊るし、打ち鳴らす仏具。鉄や銅で作られる。
鰐 口 祈願のために鳴らす道具。鰐の口に似ているため、この名称がある。
板 碑 死者の供養、追善などの目的で建てられた塔婆(石塔)の一つ。板状であることからこの名がある。

※本表の複写は固く禁じます。  台東区立書道博物館



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